26 紅
縦横碁盤目に整備された京の街は、慣れさえすれば便利なものだ。
初めて訪れる旅人ならばいざ知らず、にとっては庭も同じで。
警官の目が届かない道もお手の物。
腰に刀を差している限り、またいつ官憲に追い立てられるものやらわかったものではない。
撒いてしまうのは簡単だったが、騒ぎを起こすのは得策ではないし、正直とてもうっとうしい。
と、いうわけで。
は目下のところ、地元民かもしくは迷い人以外あらわれないだろう裏道を、のんべんだらりと歩いていた。
日は幾分か高くなっている。
軒を連ねる民家からは、家事に精を出す住民たちの姿がちらほらと垣間見え、のどかなことこの上ない。
時折聞こえてくるにぎやかな子供たちの声も、それに拍車をかけているようだ。
結局。
京都について早々、警察に追い掛け回されたあの日以来、剣心は半ば押し切られる形で葵屋の世話になり、はで篠崎の家に厄介になっていた。
あの逃走劇の後、は約束どおりに葵屋へ姿を現したのだが、翁を交えて剣心と一通りの話を終えると、再び篠崎の家に戻ると伝えたのだ。
操にも翁にも引き止められたのだが、は苦笑して。
「一年前に住んでた家がまだ残っててね。友人が管理してくれてたんだよ。剣心も知ってるだろう? 篠崎尋永。あいつが泊まってもいいって言うからさ」
あっけらかんと言うに剣心は何かを言いたそうにしていたが、結局何も口にすることはせず、はこの数日ほど、こうして葵屋へ通っているのだ。
「今日も明日も明後日も、元気に探そう逆刃刀………」
面白くもなさそうに、そんなことを口走ってみたりする。
先日たちは、瀬田宗次朗との一戦で無残にも折れてしまった逆刃刀に代わる刀を得るために、刀匠新井赤空の息子、青空のもとを訪れた。
しかし青空は、刀を一振り打ってほしいという剣心の依頼を聞き入れず、新たな逆刃刀探しは一から出直しとなったのである。
急がないわけではないが、急いでどうにかなることでもないわけで、今はただ、元御庭番衆の情報網を頼りに待つばかりなのだ。
今のところ、まだ有力な情報は得られていない。
「逆刃刀なんて珍妙なもの作ろうと思うのは、新井さんぐらいのもんだろうけどなぁ」
家々にはさまれた細長い青空をちらりと仰いで、はそう独り言ちた。
赤空とは幕末の頃に二、三度面識がある程度だったが、彼の変わり者っぷりは十分に承知している。
その作り出す刀のように剛健で豪快な性格は小気味良かったが、多くの職人がそうであるように、彼もまたどこか気難しい面があった。
その変わり者の刀匠が死んだのは八年前。
剣心が志士を抜け、が剣心の目の前から行方をくらました二年後のことである。
そう言えばそんな噂も聞いたかもしれないと、が思い出しながらぼんやりと歩いていた時。
不意に、進行方向にある脇道から、なにか小さなものがの前に飛び出してきた。
勢い良く羽を回転させるそれは、浮力を失って地面に墜落する。
カツリと硬質な音を響かせたのは、一本の竹とんぼだった。
「ぼくのが一番高く飛んだ!」
「違うよ、ぼくのだよ!」
足元に転がるそれを拾い上げたは、竹とんぼの飛んできた脇道からわらわらと駆けて来た子供たちの声に顔を上げた。
少年ばかりが三人………いや、その後ろから若干遅れて、一番年下らしい小さな女の子が追いかけてきている。
なにやら競っていたらしい少年たちは、竹とんぼを手に佇むの姿を見つけると一瞬びくっとして立ち止まり、そしてそのまま立ちすくんだ。
あきらかに、刀を腰に差したのことを警戒している。
「これ、坊主のか」
しかしは頓着せずに、笑って竹とんぼを振ってやった。
すると少年の内の一人が、警戒心満載の様子で、それでも小さくこくりと頷く。
竹とんぼは返してもらいたいが、得体の知れない相手に物怖じしているのだろう。
「ほら。屋根の上にのらないよう気をつけろよ」
差し出してやれば、無言で受け取って。
「…………おにいちゃんは、おさむらいさん?」
少年たちの影に隠れていた一番小さな少女が、興味津々の顔でを見上げた。
少女が服をつかんでいる少年が、黙ってろよ! と叱りつける。
兄妹なのかもしれない。
はしばしその様子を眺めると、おもむろに膝を折ってその少女と視線を合わせた。
「いや、残念だけど、お侍じゃないんだよ」
「じゃあなんで刀なんかもってるんだよ」
いまだ警戒心を解いていない少年が、それでも好奇心に負けて口を開いた。ただし、ぶっきらぼうに。
「そうだ、刀はもっちゃいけないんだぞ」
他の二人も尻込みしながらそう主張する。
善良でもっともな彼らの意見に、は苦笑を浮かべて。
「そうなんだけどなぁ」
言葉を濁すしかない。
廃刀令が敷かれたこのご時世、彼らから見れば自分は立派な犯罪者だ。
警戒されるのも当然だった。
「坊主たちは、この辺の子か?」
「そうだよ」
「ふーん、そうか………」
警戒しながらも、この場から逃げ出そうとはしない子供たちを見回して、は少し考える素振りを見せる。
そしてしばし沈黙した後、ぽんと手を打った。
「その竹とんぼ、もっと飛ぶようにしたくないか?」
「え?」
突然のことに、子供たちはきょとんとする。
「そんなこと、できるの?」
「どうやって?」
いたずらをほのめかすようなの笑みに、好奇心をそそられた少年たちは身を乗り出した。
その目は興味津々だ。
「小刀か何かあるか? どんなのでもいいんだけど」
「ぼく、家にもってる!」
勢い良く手を上げた一人の少年が、の返事も聞かずに身を翻し、すぐそばに見えている一軒の家に飛び込んでいった。
そしていくらもしないうちに駆け戻ってくる。
「はい」
「ああ、ありがとう」
息を弾ませながら差し出された小刀と竹とんぼを受け取って、は道の脇に置いてある角材の所まで行くと、そこに腰を下ろした。
その周りに集まる子供たち。
は小刀を右手に持つと竹とんぼの羽の部分にあてがい、軽く二、三度刃を滑らせた。
小気味良い音がして、白い削りかすが宙に舞う。
反対側も同じように。
一度、目の高さに羽を持ってきて何かを確かめると、今度は片側だけにもう二度ほど刃を滑らせる。
「よし、こんなもんかな」
「ほんとにこれだけで飛ぶようになるの?」
「飛ばしてみな」
訝しげな少年に竹とんぼを渡すと、はやってみろと促した。
半信半疑な顔をして、少年は竹とんぼを構える。
他の子供たちも不思議そうにそれを見守って。
「―――っわあ! とんだ!」
歓声と共に、満面の笑みがそれにとってかわった。
青い空めがけて先程よりもずっと高く舞い上がる竹とんぼ。
「すごいや! ありがとう、兄ちゃん!」
「はやく行かないと置いてかれるぞ」
興奮した様子で目を輝かせる一人の少年に小刀を渡して、竹とんぼを追って先に駆けていった仲間たちの背中を指し示してやった。
少年は慌てて駆け出していく。
はその後ろ姿をしばらく眺め、ちいさく笑みを漏らした。
「―――ずいぶんと、お優しいのね」
不意に。
声をかけられて、はそちらを振り返る。
佇んでいたのは、淡い色の着物を纏った女性で。
少し離れた場所でこちらを見ている。
「子供が、お好きなの?」
「ええ、まあ」
は立ち上がるとそう言って尻を払った。
その気配に気づいていなかったわけではなかったが、特に何をしてくる風でもなかったので、あえて気づかないふりをしていたのだ。
ここは民家のひしめく場所であるし、他人の目を引くような格好をしているのは自分の方だったので。
しかし、声をかけられたのは予想の範囲外。
「子供は元気がいいのが一番だわ」
女性は、群れながら駆け去っていった少年たちの後ろ姿を見やる。
その顔は、目深に被った深紅の被り布のせいで判然とせず、ただ紅をひいた口元だけが、妙に見る者に印象付けていた。
「ずいぶん慣れていらっしゃるようだったけれど、お子さんが?」
そう問われ、はきょとんとした後、次いでなんとも言えない苦笑を漏らす。
相手に他意はないだろうが、刀など提げている自分のこと。世帯もちの旦那にでも見えるのだろうかと思うと、少し微妙な心境にならないでもない。
まあそれも、自業自得と言ってしまえばそれだけなのだけれど。
「いいえ。ただちょっと知り合いに、ちょうどあのくらいの歳の子が二人ほどいるもので」
言って、ふとその姿を思い起こした。
優れた老医師の、愛らしい二人の孫。
きゃらきゃらとよく笑い、物怖じもせず無邪気に懐いてくる様は、とてもかわいらしくて。
あんなにも慕ってくれたのに、別れも告げずに出てきてしまったことは、ほんの少しだけ心苦しい。
泣かせてしまっただろうかと。
がそんなことを考えたとき。
「子供は、あのくらいがかわいい盛り。元気で、屈託がなくて、純粋で………」
そう思いません? と。
路地の向こうを見やったまま、女性は問う。
笑んでいるのかそうでないのか。
その口調と纏う雰囲気がどこかちぐはぐで、判然としない。
奇妙な違和感には内心で眉をひそめたが、表に出しては「そうですね」と、当り障りのない答えを返した。
この女性の真意が測りきれない。
「私にもね、いたのよ。息子が一人。生きていれば、そう、ちょうどあの子たちぐらいだわ」
独り言ともつかない呟き。
懐かしむような、悼むようなその響きは、事実を語って余りある。
けれどその女性はあえて言った。
「四年ほど前に死んでしまったわ。流行り病で」
「…………それは、お気の毒に」
としてはそう言うしかなかった。
なぜこの人はこんなことを自分に喋るのか。
声や仕草から、自分と同じか、それとも僅かに年上かと察するが、彼女には何故か、虚ろな蜃気楼のような捉え難さがある。
明らかに、一般人ではない。
しかしに警戒を促すほど、それは鬼気迫るものではなくて。
言ってしまうなら、まだまだ未熟な修行途中のような剣気。
「夫もね、その少し前に亡くしていたの。本当に突然に………遺言も聞けず、見取ることさえできなかった」
―――殺されてしまったから。
ゆっくりと。
こちらを振り返る女性の被り布が、僅かに煽られてその内をさらす。
紅をひいた口元は、語る言葉とは裏腹に薄く引き上げられていた。
「―――ねぇ、剣客さん。あなたはその刀で、どれだけの人の命を奪ってきたのかしら」
まるで世間話でもするような口調で言う女性が浮かべているのは、明らかに笑み。
唐突な問いを訝しむよりも前にその空気の変貌が、の眉を動かした。
無防備だった左手が、いや増す馴染んだ空気に、ほぼ無意識の領域で腰の刀へ向かおうと身じろぐ。
「ねぇ、憶えている? その手で斬った人たちの顔。血に濡れて、断末魔の叫びをあげながら、あなたの手にかかって息絶えていった人たち」
「……………」
語る女性の真意がわからない。
けれどそこにある敵意だけは、否が応でも認識できた。
いや、敵意などという生ぬるいものではない。
それは殺気。
けれど、自分たちが発するような、あの極限にまで研ぎ澄まされた、心地よく感じるほどに純度の高い馴染んだそれとは違う。
ただただ感情にまかせ、底の見えない憤怒と憎悪で満たされた、原石のようなそれが。
目の前の、着物を纏った女性から溢れ出しているのだ。
「…………志々雄の配下か?」
表面だけは変わらずに、刀にのびようとする己の左手を意識しつつ、は低く尋ねた。
その途端、響く哄笑。
どこか酷薄な、空虚な感じのする薄ら寒い笑声が、女性の口からほとばしる。
は今度こそ眉をひそめた。
いったいなんだというのか。
未熟な気配の内にある得体の知れない感情が、剣客としての第六感に警戒を促している。
刀を抜き、この場で斬り伏せてしまうことは簡単だろう。
相手が志々雄の配下だというのなら、何も戸惑うことはない。
よしんばそうでなかったとしても、相手の害意がこちらに向けられていることは確かで。
それだけで、刀を抜く理由には充分すぎる。
接触してきたのは相手のほう。自分は降りかかる火の粉を払うだけなのだから。
しかしそれなのに、なぜかは刀に手をのばせなかった。
否。のばすことを躊躇った。
それはおそらく、彼女の身の上話を聞いたからではない。
そんなことは理由にならない。
標的とする人間の事情を思いやることなど、疾うの昔にやめている。
何も縛るものなどないはずなのに、何故かこの女性を前にして、の手を刀の前で踏み止まらせているもの。
その存在に釈然としないものを感じながらも、は本能のままに動こうとする左手を律していた。
そのことを察しているのか、女性はくつくつと、こらえきれない笑いの余韻をかみ殺し。
「ええ……ええ、そうね。志々雄殿には、ずいぶんとお世話になったわ。あなたからも、お礼を言ってもらいたいくらい」
「言っている意味が、わからないけどね」
被り布で口元を遮りながら言う女性に、は低く返す。
すると女性は、未だ纏っていた笑いの残滓を不意に拭い去った。
「…………ああ、そうね。そう言えば、そうだったかしら」
虚ろな呟き。
ふと何かを思い出したような、そんな空気の後、彼女はまたあの笑みを浮かべた。
言動とちぐはぐな、あの奇妙な笑みを。
「あなたは何も、知らないものね。いいえ、知らないふりをしているだけかしら。でなければ何百人もの人間を殺しておいて、そんな風に生きていられるはずがないわね」
「……………」
そんな謗りに、は今さら反応することもなかった。
他人に言われるまでもなく、誰よりも何よりもそれを自覚しているのは己だ。
「―――ねぇ、剣客さん? あなた、その手で一体どれだけの人を殺してきたの?」
「?」
独り言のような、呟きとも言える問いかけ。
けれど何故か、問われている気がしなかった。
彼女は、その答えを求めているわけではない。
「そう…………あの人以外に、どれだけの人の命を―――」
吹きぬけた風が、深紅の被り布を大きく巻き上げた。
紅をひいた赤い唇と、雪のような白い肌が陽光の下にさらされる。
僅かに乱れた黒髪が、それらを縁取るように舞い上がって―――。
「―――っ!」
「思い出して、くれた?」
声もなく、息すら失い。
ただただ瞳を見開くを見て、女性は凄絶なまでの笑みを湛えていた。
ああ、そうだ。
どうして自分は、今まで思い出しもしなかったのか。
こんなにも、忘れてはいけない人だったのに。
「―――お、雪……さん」
呟きは、鈍い光を湛える瞳によって受け止められていた。
New!るろうに剣心 ― ベスト・テーマ・コレクション ―
★★★★★
るろうに剣心アニメ版の初代オープニング「そばかす」から、京都編のエンディング「1/3の純情な感情」までを
すべて収録。
しかも、劇場版のエンディング「永遠の未来」と、劇場版公開記念につくられた「宿敵見参!」と「The十本刀」(笑)
が収められているこのCD!
かなりいいんですよ〜。
るろ剣のCDは何枚か持ってますけど、一番良いのはこれですかねぇ。
なんというか、余分なものは一切はぶいてって感じです。
歴代オープニング、エンディングのなかで一番気に入っているのは、剣心の声を演じられた涼風真世さんが歌う
「涙は知っている」。
さすが元宝塚歌劇団トップの涼風さんです。上手いんですよね、歌が。
もちろん他の曲も良いですよ。ああ、この曲覚えてる〜、と、当時流れていた映像なんかも思い出したりして。
で・す・が!
私が何よりオススメしたいのは、劇場公開記念の「宿敵見参!」と「The十本刀」なんです!
アニメタルが歌うこの二曲。そのタイトルどおり、京都編以前の剣心の敵キャラ(鵜堂靭衛とか)と十本刀のテーマ
ソングです。
一人ひとりの心の内を歌詞にしてるんですが、とにかくこれが胸にくる!
そのキャラが背負うモノを、とても短い歌詞の中にぎゅっと凝縮しているんですよね。
歌っているのは声優さんじゃないんですけど、とにかくその一つ一つにキャラの全てが詰まってるといっても過言
じゃありません。
もちろん、四乃森蒼紫や斎藤一のテーマソングもありますよ。
曲調がヘビーメタル調なので最初の頃は抵抗があったんですけど、何回か聞いているうちにこれが一番のお気に
入りになりました。
皆さんもぜひ、聞いてみてください。
剣心華伝 ― 全史るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 ―
★★★★★
五年にわたる連載の、ぶっちゃけ話や裏話が満載のこの一冊。
原作者である和月伸宏氏の事細かなインタビューを中心に、描かれなかったエピソードの話や、全二十八巻の詳
しいストーリー、表紙イラスト。とにかく様々な裏情報が収録されています。
和月氏のインタビューの中には、この頃にはまだ決まっていなかった次回作に関するコメントも含まれているとか。
好きな人は注目ですね。
今更という感じもしますが、連載が終わって随分経った今だからこそ、逆に新鮮に感じるのではないでしょうか。
「ああ、そういえばこんなこともあったなぁ」 なんて感傷に浸ってみたりするのもオツかも。(笑)
そして何より私の心を掴んで離さないのは、るろ剣本編では語られなかった、キャラクターたちの その後 が収録
されてるということ。
剣心と薫の子供については、最終巻で和月氏が語っていらっしゃいましたよね。
ところがこれには、他のキャラたちの後日談が、オールカラーで収録されています。
五年後のエピソードで、左之助や恵はもちろん、斎藤や操に至るまで描かれていて、これはもう必見!
コミックス二十八冊に加えて、これを持っていればもう完璧?
夢を書くときに役立ちそうですよね………。
剣心秘伝 ― 原典・るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 ―
★★★★☆
こちらは京都編までの事細かなストーリーや情報が収録されている一冊。
範囲が限定されている分、こちらの方がデータがより詳しいものになっていますね。
たとえば、京都編に出てくるキャラたちのプロフィールとか、それまでの戦歴とか。
ていうか、これこそ私が今求めているものでは………?
とにかく情報が詳しいのが売り。
上の『剣心華伝』が、るろ剣という作品の流れに着目する歴史書ならば、こちらの『剣心秘伝』は特定の時代に的を
絞った専門書?
この二冊をそろえた暁には、マスターと名乗っていいですか?(笑)
カラーページも豊富で、京都編がお気に入りの人はぜひとも手に入れておきたい一品。
でもやっぱり時代が区切られていると言うことで、謙虚に星は四つ。
内容は五つ星なんですけどねぇ。
幕末恋華・新撰組 PS2
★★★★☆
トップページでも紹介している、『うるるんクエスト 恋遊記』と同じ3Dの作品。
本格派歴史系恋愛アドベンチャーですね。
史実に沿った事件が起こる中で、女性隊士として新撰組に所属することになった主人公。
時代の荒波に翻弄されながらも、刀を取り、懸命に戦い生き抜いていくのです。
まさしくゲーム版ドリームですな。
なにぶん新撰組ですから、どうやったって悲恋になるだろうってキャラはいますが、訪れたEDに感動することは請
け合いです。
絵柄も綺麗ですし、声優陣も豪華なメンバーが揃っているので満足できると思いますよ?(しかもフルボイス)
ただ、D3という会社の方針として、『安価で攻略も簡単なものを』という目標? 理念? の元に製作された物です
から、攻略は簡単です。
人によっては物足りなさを感じてしまうかも?
そういった点では初心者向きですかねぇ。
ですが、近藤勇や沖田宗司、土方歳三などと、時代に全てを捧げて一心に生き、けれどもその一方で、どうするこ
ともできずに湧き上がる暖かな思い。
これはかなり胸にきます。
現代に生きる私たちには予想できない、様々な人間模様が用意されているかも。
個人的にはおすすめですが、やはり攻略の難易度が低いことを踏まえて、星は四つ。