31 エピローグ
その場所はまるで、別世界。
ほのかなオレンジを帯びる闇の中に、ぽっかりと口を明けた光りの空間。
ひしめく人間と、強いライトの熱に満ち満ちて、ともすれば呼吸さえも忘れてしまいそうになる。
ほんの十数分かそこらの、たった一瞬だけのために。
なぜ自分は、こんなにも膨大な時間と労力を割いているのだろうかなんて。
コンクールの間中、あれだけ何度も喘ぎながら、思えば結局ただの一度も考えたことはなかった。
他にもっと楽しいことも、楽なことも、やるべきこともあったはずなのに。
そのことを、入賞者三人のみに渡される盾を持ったピアニストの友人に話したら、
「それはお前が、もう一端の演奏家だってことだろ」
と言って、笑われた。
正直言って、ピンとこない。
ピンとこないけれど、しかし。
自分の手の中にある、彼が持っていたものと同じ形のそれを見下ろして、は不思議な充足感が胸に満ちるのを感じた。
濃い橙色の西日が照りつける屋上の手すりに寄りかかり、人の姿もまばらになった校門を見下ろす。
下校時刻を告げる鐘は、ついさっき鳴り終わったばかりだ。
帰らなければと思うけれど、身体は意思に反して動こうとしない。
リリに貸してもらった衣装は消えてしまった。
コンクールが終わると、もうファータたちは見えなくなってしまうらしい。
別れを告げに来たリリは、泣きそうな顔をしていた。
『もう一度、歌ってほしいのだ。お前が最終セレクションで歌った歌は、本当に素晴らしかった』
惜しみない賛辞の言葉は僅かに震えていたけれど、気付かないふりをして応えた。
夕暮れの屋上に響くのは、たった一つの恋に身を捧げ、神に誓いをたてる娘の歌。
ただ純粋に愛しているのだと言葉を紡ぎ、空に、太陽に、神に、己の想いの深さを訴える。
―――自分には、できなかった。
相手の瞳が困惑に曇るのを見るのが怖くて、結局最後は逃げてしまった。
あの日の保健室で。
わずかな幸福と引き換えに、気付いた時には後戻りできないほど育ってしまっていた想いに蓋をした。
笑ってくれるならそれでいい。
また以前のように、話してくれるならそれでいい。
旋律に乗せて紡ぐのは、恋をした娘の幸福と、彼女の強く揺らぐことのない想い。
現実の自分とは正反対なのに、いつの間に自分はこれほど器用に切り替えられるようになったのだろう。
夕暮れの空に最後の音が溶け込んだ時、しかしリリはひどく複雑そうな顔をしてこちらを見下ろしていた。
『音楽は、人を幸せにするものなのだ。いつでも、悲しみを伝える曲でさえ………。、お前は、幸せか?』
不安そうな声で、窺うような表情で。
きっと彼は知っているのだと思った。
純粋に音楽を広め、愛してもらいたいと願うファータたちの思いとは裏腹に、人間の中にはどうしても、暗い感情や欲望が存在するのだということを。
それは時に、平気で人を傷つけてしまえる。
優しい優しい音楽の妖精は、このコンクールの間中、その小さな胸をどれほど痛めていたのだろう。
私を音楽の世界に導いてくれた、小さくて不思議な友人。
心からの微笑みと共にそっと手を差し伸べれば、リリは少しだけ驚いて、けれどすぐにいつもの明るい笑みを浮かべ、その小さな手を重ねてくれた。
『お前に、音楽の祝福と心からの賛辞を! もう姿は見えなくなってしまうが、我輩たちはいつでも、そばでお前たちの音楽を見守っているのだ!』
リリは元気な声だけを残すようにして、本当に跡形もなく消えてしまった。
あとに残されて、夏の風が吹き抜けていくのを頬に感じて。
夕焼けが深まるにつれて、胸の中に堆積していくのはこれまで感じたことのない虚無感。
一つの舞台が終わるたびに、追い立てられるようにして次の舞台の準備に駆けずり回っていたのに、今はもう、何もない。
舞台が消え、リリが消え、そして恋も消えてしまって………。
「―――女々しいなぁ……」
思わずこぼれだしそうになったものを、あわてて押し込めた。
一度ゆるんでしまった涙腺は、絶対に自分の言うことなどきいてくれないのだから。
ぐっと握りしめた屋上の手すりの冷たさが、じんわりと掌につたわってくる。
もういい加減、感傷に浸るのはやめて帰ろう。
そう心の中でつぶやいた時だった。
「なんだなんだぁ? 総合入賞を果たした奴の言葉とは思えんな」
不意に。
背後からかけられた声に、これでもかというほど驚いた。
「―――っ、先生!?」
「おー。お疲れさん」
こちらの動揺などまったく気づいていないかのような口調で。
その人は、ほてほてと近づいてきた。
やる気のないサンダル。くたびれた白衣。無造作にまとめられた長い髪。
いつもと変わらない服装で、いつもと変わらない口調で。
さも当然のように、すぐ隣の手すりに寄り掛かる。
「そういや、天羽のやつがすごい形相でお前さんのこと探してたぞ」
校門のほうを見下ろして言う金澤の横顔を、穴があくほど見つめながら、は必死で言葉を探した。
「先生………どうしてこんなところに………」
あまりにも突然すぎて、こぼれ出たのはなんのひねりもないセリフ。
言ってしまってからはっとした。
どうしてもっと気の利いたことを言わなかったのか。
けれど金澤は、そんなことなど少しも気にした様子はなくて。
屋上から下を見下ろしながら、少しだけ目を細めたのは夕日が眩しかったからなのか。
「―――お前さんが、ここにいるような気がしてな」
呟きは小さくて。
耳元を吹き抜ける風に、さらわれてしまいそうなほど。
「……………え?」
「約束通り頑張ったお前さんを、ほめに来たんだよ」
いつもと同じ軽い口調とからかうような笑み。
一瞬どきりとしてしまった自分が恥ずかしくて、は慌てて視線をそらした。
夕日が赤くてよかったと思う。きっと今の自分の顔は、無様に赤く染まっているだろうから。
「あ、ありがとうございます。先生も………約束通り、聴きに来てくれて………嬉しかったです」
少し口調が速くなってしまって、不自然ではなかっただろうか。
けれどそれを確かめるために金澤の顔を見上げることはできなかった。
いくら夕日が赤くても、気付かれないとは限らない。
「なんだ、気付いてたのか」
「一番前の席だったから」
一列目の左から三番目。
直視はしなかったけれど、でも、視界の端で十分にその存在を認識できた。
見てくれていると思うだけで、不思議と気持ちが落ち着いた。
「上手かったよ、今までで一番。とてもつい数か月前まで素人だったとは思えない」
そう言った金澤の声音がいつもとは違う気がして、はちらりと金澤の横顔を見上げた。
手すりに寄りかかったまま、どこか遠くを見つめる横顔。
「初恋に心躍らせる少女の心情。喜びと、期待と、向こう見ずな危うさと………よく表現できてた。俺には―――俺には、できない歌い方だ」
その言葉の終りに、わずかな自嘲の響きが滲んだ気がして、は一瞬どきりとした。
「どうして、ですか………?」
「…………」
問うた声が聞こえているのかどうかもわからない沈黙。
触れてはいけない部分を、垣間見たような気がした。
耳にしてはいけない言葉。
レッスンを受けていた頃からずっと、金澤には漠然とした踏み込んではいけない部分があるような気がしていて。
それは教師と生徒という立場であれば当然のことだと思っていた。
ひどくプライベートな領域で、踏み込んではいけないのだと、があえて目をそらしてきた部分。
目の前にいる見慣れたその姿が、一瞬別人のように映る。
金澤はただ夕焼けの空を見つめたまま、僅かに逡巡するような気配の沈黙を重ねて、ようやくふと口を開いた。
「………昔、知り合いに、馬鹿な男がいてなぁ。優秀なオペラ歌手で、イタリアの劇場と契約して、タイトルロールなんかも歌うぐらいだった。将来もそりゃあ有望視されてたんだよ。まるで世界はそいつを中心に回ってるようだった。少なくとも、本人はそう思ってた」
唐突な話題には眼をぱちくりさせたが、口をはさむことはできなかった。
夕焼けを見つめる金澤の視線が、ここではないどこか遠くを見ているようで。
相槌を打つこともできずに、ただ耳を傾ける。
「けど、神様はそんな傲慢さを許したりしなかった。罰があたったんだな。ある日そいつは、一世一代だと信じていた恋を裏切られ、捨てられて………傷心のあまり、酒とたばこに走ってな。ちょうど殺人的なスケジュールで喉を酷使してた時期だったことも重なって、商売道具の喉を潰しちまった」
「……………」
「あとはもう、絵にかいたような転落人生さ。恋も、歌も失って……。馬鹿だったんだよなぁ。けど、それくらい真剣だった。それまで手にしてきた成功も、名声も―――人生すら、台無しにしてしまうぐらいに。そいつにとって、その恋は………」
金澤は、続く言葉を口にしようとして止めた。
いまさら言ってどうなるわけでもない。
未練が消えるわけでも、ましてや、やり直せるわけでもない。
「だから俺は、もう二度と、歌にも恋愛にも、近づくことさえごめんなんだ。俺にとっては、恋も歌も、苦い思い出にしか繋がらない………」
挫折と、己の無力さと、他人への羨望と。
醜くドロドロとしたものが、胸の中に渦を巻く感覚。
身体の芯が焼けただれるような、どす黒く染まっていくような、耐えがたい苦痛に苛まれて、己の中の音楽までもが歪んでいくのが耐えられなかった。
そしてそれは、純粋な音楽に触れれば触れるほど、明確に浮き彫りにされて。
可能性を秘めた若い歌声は、己の中の醜い部分を刺激する。
「………先生、もしかして、ずっと辛かったん、ですか? 私が歌うの、見ているのが………」
嘘はつけなかった。
金澤はちらりと視線を流しただけで、口を閉ざしたまま動かない。
それが、何よりの答えだった。
なんでもない顔をして。
気まぐれな猫のような笑みを浮かべながら、その内側ではどうすることもできない憤りを抱えていたのだ。
「―――………」
なぜ、気付けなかったのか。
はゆがむ視界を遮るように、金澤から視線をそらす。
あんなにも、傍にいたはずなのに。
時折口ずさむ歌の中に、導くように奏でる伴奏の中に、きっとその思いは、ひっそりと沈んでいたはずなのに。
ただ頼ることしかしなかった自分に、眩暈がするほどの怒りを覚えた。
どうして………。
「、俺は、そうやってずっと逃げ続けてきた汚い大人なんだよ。………お前さんの歌声を、引き出してやれたなら、なんて。思い上がったことを勝手に考えておきながら、自分の過去と向き合う勇気も覚悟もなかった。ずっと目を逸らし続けて………中途半端に自分を騙してきた結果が、これだ」
金澤はそっと、両手で顔を覆うの頬に手を伸ばした。
触れるか触れないかのギリギリの位置で手を止めて。
頭をよぎるのは、悪意に満ちた赤い文字と、自分の贈った歌曲集と、ずっと自分に向けられてきた、その笑顔。
本当はこの腕に閉じ込めて、何からも守ってやりたいと思うのに。
それを許さない現実が、あと数センチの距離を厚く隔てる。
「俺はお前さんを、傷つけることしかできない」
「―――っそんなこと………っ!」
涙に濡れた顔を弾かれたようにあげたは、瞬間、息を止めた。
まっすぐにこちらを見下ろす、榛色の瞳にぶつかって。
見たことのない、瞳だった。
思わず後ずさりしてしまいそうで、でも身動きが取れなくなる。
金澤は硬直したを見下ろして、静かに口を開いた。
「、俺は、お前さんを守ってやれない。お前さんが辛い時も、傷つけられている時も、ただ黙って見ていることしかできない。今までのように………」
―――何を言おうとしているのか。
金澤の頭の奥で、冷静なもう一人の自分が警告を叫んでいる。
は、ほのかな可能性が頭を過るたび、ありえるはずがないと自ら打ち消した。
けれどゆるぎない金澤の瞳が、不安に揺れるの濡れた瞳が、互いの胸の奥底にまで落ちてきて、逃げられない。
逃げることが、できない―――。
「―――お前さんが、よく考えて、選ぶんだ。今ならまだ、間に合う」
まだ蓋をして、見なかったことにすることができると。
しかしの身体は頭で思考するよりも前に、勝手に動き出していた。
染みついた煙草の香り。初めて頬で感じる体温。腕をまわした身体は思ったよりもずっとしっかりしていて。
「………本当に、いいのか?」
うなずく代わりに、ギュッとすがりつく。
うまく声を出せる自信がなかった。
夢ならこのまま、覚めなければいい。
「―――俺はこの期に及んでまで、お前さん一人に選択を迫るような、そんな汚い人間だ。土浦や月森や………お前さんを大切に守ってくれる奴は、他にいくらでもいるんだぞ?」
首を振る。
どうしたら、この思いを伝えることができるだろう。
両肩に添えられた手は、きっといつでも引き離せるようにしているのだろう。大きな手に似合わない、力のなさ。
「―――先生が、いいんです。先生のことが、好き………」
自分で気づく前からずっと。
この場所で手を差し伸べてくれた、その時から。
望みは全て絶たれてしまったと思った時ですら、諦めきれないほどに。
金澤は、強く縋りついてくるを僅かな逡巡で見下ろしたが、しかしやがて諦めたように、深いため息をついて肩を落とした。
「…………負けたよ、お前さんには」
観念したような口ぶりで、そっと両腕を小さな背中に回す。
すっぽりと腕の中に収まってしまう小さな身体を、慈しむように抱きすくめた。
「後悔しても、遅いからな」
初めて聞く、ひどく甘いテノール。
初めて感じる、腕の力強さ。
―――耳元で囁かれたその声のすぐ近くで、は確かに軽やかな鈴の音が響くのを聞いた気がした。
―――それはファータたちがならす鈴の音と、よく似ていた。
Fin.
2005年のサイト開設以来、四年にわたって続いてきたコルダ夢が、本日無事、終了いたしました。
今までずっと、飽きずに気長に待っていてくださった皆々様に、心からのお礼を申し上げたいと思います。
思えばこのコルダ夢は私が生まれて初めて書いた夢小説で、このサイトができたのも、金澤先生とヒロインさんのこの物語を綴りたいと思ったからでした。
最終話をUPするまでに、一年近くの間があいてしまったことを、この場を借りてお詫びいたします。
思いのほか長く続いたこの二人の物語りの幕を、いかにして引くべきか。
それをずっと模索し続けた一年でした。
書いては消し、消しては書きを繰り返し、ようやくこの二人にふさわしい着地点を見つけられた。そんな思いです。
このコルダ夢は、一番最初に生まれ出て、一番最初に結末を迎えた、私の中でも特別な作品となりました。
読んでいただいた皆様の心に、幸せな旋律が流れ込むような、そんな作品にできていたらと、願うばかりです。
この二人の物語を見守っていてくださった皆様、本当にありがとうございました。
そして願わくは彼らの物語が、皆様にとって一つの幸せな思い出となりますよう。
歌卿
New!遥かなる時空の中で3 十六夜記
★★★★★
ついに発売!
あの 『遥かなる時の中で3』 の続編です!
今までの1から2、2から3のように、時代やキャラが変わるのではなく、
遥か3のキャラクターたちがそのまま持ち越される今回のゲーム。
舞台は遥か3の最終局面である、壇ノ浦の合戦で平氏に源氏が勝利した直後から始まります。
合戦が終わり、神子や八葉たちにも平穏が訪れるかと思われたその矢先。
大将である源頼朝が、人々の信仰を集める神子とその仲間を廃そうと策をめぐらせる。
反逆者として処断されそうになった神子たちは寸前でその手を逃れ、一路奥州は平泉を目指します。
この平泉と言う土地は、八葉の一人である九郎と弁慶が少年期を過ごした縁の場所なのですが、
そこで僅かな平和を得たのも束の間。
頼朝の追っ手はこの平和な奥州にも伸びてくるのです………。
『遥か3』 では戦の進行が主軸にあったため、どこか殺伐とした、
張り詰めた緊張感の中で進んでいたストーリー。
キャラたちとのイベントも、戦の影を拭い去ることは難しいものが多かったように思います。
もちろん、その緊張感溢れる中で繰り広げられる、
意中の人との恋愛がまたかなりツボだったりするのですが………。(笑)
今回の 『十六夜記』 では、それに加えて 蜜月イベント と呼ばれる、
平穏な生活の中で起こるイベントが用意されています。
戦を離れた 「拠点」 で一時の平穏な日常を送る八葉たち。
リラックスできる状態だからこそ垣間見せる、
彼らの新たな一面を知ることの出来るなんともナイスなイベントなんです!
とくにリズ先生なんか気になりませんか? リラックスしている先生って、先生って………っ。
もうそれだけで萌えますとも!
と・こ・ろ・がっ。
この 『十六夜記』 の注目点はそれだけじゃないんです。
大注目なのは新たなキャラクターの存在!
計3人出てくるのですが、落とせそうなのは2人かな?
そしてこの二人の内の一人が、あの『遥か3』では敵方だった、平知盛と瓜二つなんですよ!
性格は全然違うようです。だから別人なのかなぁ。微妙なところです。
知盛が清廉潔白、素直従順になったような顔つき。そして性格………。
どうせなら前のままの方が良かったです。 彼のあの退廃的な雰囲気がかなりツボだったんですよ私。
その点でいうと、もう一人の新キャラの方がいいかもしれません。
ていうかこちらは、管理人のツボにクリティカルヒットしました!(笑)
ビジュアルはもちろんのこと、その性格設定もかなり惹かれます。
眼光鋭い怜悧な青年って………、黒髪長髪に眉間に皺って………っ!
彼がツボじゃなくて誰がツボだって話ですよ!
むしろ彼を落としたい。 ぜひとも落としたい。 彼の為にこのゲームを買おうかって勢いです。
でも攻略対象に入っているかは微妙なところですね。 難しそう。(涙)
ああ、だがしかし、一度ついた勢いは止められそうにありません。
その他にも、バリエーションを増したキャラたちの協力技や、新たなバロメーターの追加など、
盛りだくさんの『十六夜記』。
画像の綺麗さは折り紙つきです。 かなり綺麗。
発売は9/22ですが、予約はすでに始まってますね。
『遥か3』と連動させて楽しむも良し。 まったく新しい物語として楽しむも良し。
いまから大期待です。
『遥かなる時空の中で3』はこちら。
金色のコルダ 〜 Primavera 〜
★★★★★
コルダファン必見! 初の ”金色のコルダオンリーDVD”!
ネオロマライブDVDとはまた違った、コルダ一色のDVDでございます。
主となっているのはコルダのメインキャラ総出演の『爆笑トーク大会』。
爆笑と言うだけあって、本気で笑えます。
声優さんの素がかなり出ているのですが、コルダの収録時の裏話とか聞けておもしろかったですね。
そのほかにも六個のお題にそって話が進められていくので内容は豊富。
個人的には、冬海ちゃん役の声優さんがかなりのハマり役なのにびっくりしました。
もー、冬海ちゃんそのものって感じ。
土浦君が言うところの、吹けば飛びそうなというか、つつけば壊れそうなというか。
可憐でした。(笑)
また、 『ヴァイオリン講座』 や 『三年B組金やん先生』 といった企画も盛りだくさん。
もちろん7人の歌も、なんとライブバージョンで収録されています。
歌で大注目なのは、月森蓮役の谷山紀章氏!
なんですかあの上手さっ! あの美声っ! 反則ですよ! ってくらいすごいです。
いやー、びっくりでしたね。 かなり上手い。 一見の価値ありです。
できればネオロマライブでやるお芝居なんかも収録しておいてほしかったですねぇ。
いや、まあそれは、ライブのDVDを見ろってことなんでしょうが・・・・・・。
個人的にはもうちょっとキャラを出してほしかったかなぁ。本当に声優さんの素が楽しめるDVDです。
ヴァイオリン組、3Bキャラ好きの人には特にオススメしたいですね。
この四人がかなり出張っているので大満足間違いなしでしょう。
金色のコルダ マエストロ養成講座
★★★★★
皆さまおなじみの金色のコルダ。
その ”完全攻略&完全データ集” です!
『え〜、でも私、とっくにエキスパートガイド持ってるもん』
『ていうか、もうスチル全部集まったし。見る必要ナッシング!』
―――と、お思いの方々もいらっしゃることでしょう。
ところが!
あなどっちゃあいけません。これは単なるゲーム攻略本ではないのです!
ゲームの攻略、いわゆるコンプリートしたとされる一つの条件として、スチルの全収集が挙げられますね?
乙女ゲームにおいて、この条件は必須です。これさえ満たせば、ゲーム内の九割方のイベントを見たことになるか
らです。ところが、はたしてそれで、全てのイベントを見れたのでしょうか?
ご存知のようにこの金色のコルダには、恋愛○段階という大きなイベントの他に、こまごまとしたイベントが多数用
意されています。
プレイヤーにとって、それは嬉しいことなのですが、いかんせん一体どういう条件でそれらが発生するのか。
また、どれだけの数が用意されているのか。それらの予測がまったくつかないというのが現状でした。
かく言う私も、『あの人のイベントを、一つたりとも見逃すものかッ!』 と、意気込んでいた時期はありましたが、い
かんせんまったく予測のつかないものを、網羅するだけの技量も根性もなく………。
すっかりゲームへの熱意は冷め、こうしてドリーム小説に没頭しているわけではありますが………。(笑)
なんとこのマエストロ養成講座には、それらの情報が載っているのです!
しかもなんと、 「恋愛対象5人同時攻略」 などというものがあるそうではありませんか!
私は知りませんでしたよ、ええ。全然まったくもって。そんなものがあるなんて。七人攻略も夢じゃないらしいですね?
そうしてなんとこの本には、その情報まで載っているというのです!
私が一番惹きつけられるのは、二人以上を同時進行させた時に見れるあの嫉妬イベントについての情報です
な! ぜひ見たい、なんとしても見たい、死ぬほど見たい………。
再びコルダ熱が燃え上がる気配がいたします。(爆)
どうやらイベントのセリフ等は冒頭部分のみ掲載という状態なようですが、そのほうが見る楽しみが倍増ですよね。
ていうか、先にバラすようなことはしないで下さい。
やりこみプレイや完全データ、ディープな攻略法(笑)など、40種類の講座が収録されているこの一冊。
なぜもっと早く発売してくれなかった、ルビーパーティ!? と叫びたいのは山々ですが。
とにかくオススメです。
幕末恋華・新撰組
★★★★☆
トップページでも紹介している、『うるるんクエスト 恋遊記』と同じ3Dの作品。
本格派歴史系恋愛アドベンチャーですね。
史実に沿った事件が起こる中で、女性隊士として新撰組に所属することになった主人公。
時代の荒波に翻弄されながらも、刀を取り、懸命に戦い生き抜いていくのです。
まさしくゲーム版ドリームですな。
なにぶん新撰組ですから、どうやったって悲恋になるだろうってキャラはいますが、訪れたEDに感動することは請
け合いです。
絵柄も綺麗ですし、声優陣も豪華なメンバーが揃っているので満足できると思いますよ?(しかもフルボイス)
ただ、D3という会社の方針として、『安価で攻略も簡単なものを』という目標? 理念? の元に製作された物です
から、攻略は簡単です。
人によっては物足りなさを感じてしまうかも?
そういった点では初心者向きですかねぇ。
ですが、近藤勇や沖田宗司、土方歳三などと、時代に全てを捧げて一心に生き、けれどもその一方で、どうするこ
ともできずに湧き上がる暖かな思い。
これはかなり胸にきます。
現代に生きる私たちには予想できない、様々な人間模様が用意されているかも。
個人的にはおすすめですが、やはり攻略の難易度が低いことを踏まえて、星は四つ。
星の王女3 〜天・地・人の創世記〜
★★★★★
業界初の女性向18禁恋愛アドベンチャー第三弾!
なんと今度は全年齢対象の、健全版として帰ってきた!?
ちょっとびっくりな展開ですが、安心してください、大丈夫です。(何がさ)
たしかにこの『星の王女3』は全年齢を対象としたソフトウェアと表記されていますが、
もちろんちゃんと18禁版も用意されています。
今度の舞台は神話の世界。
絵もストーリーもグレードアップして、かなり満足度は高いです。
さすがに三度目ともなると、それまでの問題を解消してゲームとしての完成度も上がっていますね。
今度は、これまでの『星の王女1、2』のように選択肢を選んでいくだけのものではなくて、ゲーム度もランクアップ。
そして画像の綺麗さはさることながら、BGMの成長ぶりにも目を見張ります。
攻略対象のキャラは、幅広い年齢層を用意。
見た目もプリティな少年(耳とんがってますけど)から、ナイスミドルまで(かなり管理人好み)盛りだくさん!
いろんな人に楽しんでもらえるよう、企画されているようです。
普通にゲームを買うと健全版なので、
18禁版を楽しもうと思う人は、それと一緒に18禁対応ディスクを買わないといけないんですが、
二枚あわせても前回の価格とさほど変わりません。
ちょっと高くなってるかな? でも、内容を考えれば許容範囲ですね。
やはり18禁となると市場が限られてしまうようで、今回の健全版作成は美雷さんの市場開拓が目的なようです。
まあ、世間には18禁と聞いただけで思わず尻込みしてしまう方もいらっしゃるでしょうしねぇ。
管理人はまったく全然OKな人間ですが。
乙女の恥じらいなんて、とうの昔に焼却処理いたしましたとも!
ていうか、いいじゃないか、18禁だって! 子孫繁栄の重要な過程をちょっとロマンチックに表現しただけじゃないか!
自分たちだって、こういう営みの果てに生まれて来た存在さ!
………なーんて主張してみたりして。
いや、まぁ、これには色々人それぞれにおっしゃりたいことがあるでしょうね。
これは管理人の私的な意見ということで。
とにかく、これまで18禁だからと尻込みしていたあなた! この機会に試してみてはどうでしょう。
別に18禁対応ディスクを買わなくても、充分乙女ゲームとして楽しめる内容になっているので心配なし。
つまりはそういうシーンがカットされてるだけですからね。
キャラがとにかくカッコいいんです。ハマって下さい。
18禁版で楽しむ時に使う、追加ディスクはこちら。(星の王女3 〜天・地・人の創世記〜 18禁対応追加ディスク)