★ 『遥かなる時空の中で3』の続編、『十六夜記』PS2 が発売決定!
  壇ノ浦の合戦の後、反逆者として追われた神子と八葉がたどり着いた先は奥州だった。 平家との戦いの後、新たに紡がれる恋の物語。
                       遥か3では落としたくても落とせなかったあの人が、ついに、ついに落とせそうな予感です………! ★







 28 真実






 それが幸運だったのか不運だったのかなんて、今でもまだわからない。

 例えばあの日、部活へいくまでの道のりに、校舎裏を通るあの道を選ばなかったなら。
 あるいはそれが、あの日でなかったならば。

 今ごろ自分は、こんなことをしてはいなかっただろうと思う。

 砂埃にまみれ、汗を拭い、声を張り上げながら白黒のボールを追って、グラウンドを走り回っていたはずで。
 間違っても学校なんかでピアノに触れることは、絶対になかったはずだった。

 けれど。

 現実は、思いもしない方向に転がっている。


 あの日、放課後の校舎裏で。
 彼女が喋っているのを見た。

 何か小さくて、チラチラと金色に光って、あまつさえ羽虫のようにフラフラと空中を飛んでいるそれと話している、彼女の姿を。

 面識があったわけではない。
 タイの色を見て、初めて同じ学年なのだと気づいた。

 けれどその時はそんなことよりもなによりも、視界に入り込んだ奇妙な生き物に目を奪われて。


『お前! 我が輩が見えるのだな!?』


 つまようじのようなものでびしりとこちらを指してくるそれに、彼女もまた驚いているようだった。



 それが全ての始まりで。



 初心者なのだと、恥ずかしそうに告白した時の姿だとか。
 リリだか他のファータだかに貰ったらしい楽譜を両手いっぱいに抱えて、ふらふら廊下を歩いている姿だとか。
 練習を聴かせてくれと拝む仕草や、歌い終わったあと聴衆に向かって照れくさそうにお辞儀する様子や。

 気がつけば、目で追っている自分がいた。

 金やんと話した後にあいつが浮かべる笑顔も。
 日を追うごとに、磨かれていくあいつの歌声も。

 そこに含まれる信頼や尊敬や、それ以上のものに気づかないほど、鈍感な人間ではなくて。

 ましてや彼女の純粋な思いは、向けられている本人が気づかないほど、軽いものではないはずで。


「―――っ」


 じりりと、身体の奥の方が焼け付く音を聞いた気がした。

 歩む足が速度をあげる。

 気づかないはずがない。気づいていないはずがない。
 あいつのことを、あんな目で見る人間が。
 なんでもわかる顔をして、一瞬で不調を取り除いてやれるような人間が。

 気づいていないなんてこと、あるはずがない。

 突然入ってきた普通科の制服に、音楽室にいた音楽科の奴らがこちらを振り向くのがわかった。
 だがそんなことには頓着せず、そのままの速度で奥へと突き進む。

 古ぼけた扉。音楽準備室のプレート。

 中に人がいるかどうかなんてわからない。どうでもいい。
 脳裏にフラッシュバックするのは、ついさっきまで腕の中にあった、あいつの泣き顔。


 鍵が閉まっているかもしれないなどと考えることもなく、真鍮の取っ手にかけた手は、固く閉ざされた扉を勢い良く開け放っていた。











           *













 唐突に開かれた扉に、その部屋の主は眉を上げた。
 口にくわえた煙草からぱらりと灰が落ちる。

 突然開かれた扉にも驚いたが、現れた意外な生徒の姿に二度驚いた。
 だらしなく身を沈めていた椅子から身体を起こして。


「おいおい、入ってくる時はノックぐらいしろよ。ここは基本、生徒は立ち入り禁止だぞー」

「レッスン止めたって、本当か」

「―――――」


 灰皿を取ろうとして身じろいだ動きが止まる。
 土浦の声音は静かだったが、その裏にある激情を押さえ込んでいるのがありありと知れた。その目は今にも殴りこみをかけてきそうで、普段硬派な印象の彼らしくない。


「…………あいつから聞いたのか……」


 問いかけではない呟きとともに、金澤は一度起こした身体を再び椅子に預けた。押し出されるように漏れる溜め息。
 軽く頭を掻いて。


「金やん」

「そこ、閉めて」


 物々しい剣幕の土浦とは対照的に、金澤は気だるげに顎をしゃくった。
 その態度が余計に土浦の神経を逆なでて、眉間の皺が深くなる。


「答えろよ! あんたあいつのレッスン………」

「いいから。そこ閉めろ、はやく」


 荒げたわけではないのに有無を言わせぬ力の声音が、いきり立っていた土浦を押し黙らせた。
 しかたなく土浦は、開けたままだった扉を閉ざす。


「………これでいいかよ」

「ああ」


 僅かな沈黙が二人の間に落ちる。
 出鼻をくじかれた土浦は、切り出すタイミングを見出せないでいた。
 対する金澤は、火がついたままの煙草を吸うために口元を手で覆って。


「―――それで、お前さんはなにしに来たんだ?」


 それまでのやり取りなどなにもなかったかのように、漫然と煙を吐き出す。それを最後と決めていたのか、金澤はまだ長さのある煙草を書類に埋もれていた灰皿に押し付けた。
 すでにいっぱいだった灰皿から、吸殻が一つこぼれ落ちる。


「………さっき、に聞いた。金やん、あいつのレッスン止めたって本当なのか」


 先程よりも幾分落ち着いた声音で、土浦は最初と同じ問いをくりかえした。しかし視線は目の前の金澤から少しも逸らされない。むしろその剣呑な光りは強さを増したようだ。
 けれど金澤は、きょとんとした顔でその土浦を見やる。


「なんだ、そんなこと聞くためにわざわざここまで来たのか?」


 その軽い口調にむっとして、土浦はぶっきらぼうに「悪いかよ」と唸った。燻る怒りの中に不機嫌さが混じる。


「お前さんも暇だなぁ。あんまり余裕こいてると、本番で痛い目みることに………」

「話を逸らすなよ。俺は、あいつの個人レッスンを本当にやめたのかってきいてるんだ」


 いつもの調子で話をはぐらかそうとする金澤を睨みつけて、土浦はきつく問うた。
 逃げるなんて許さない。
 そんな目だ。

 土浦の本気を感じ取った金澤が、観念したように溜め息をつく。


「…………本当だよ。俺からに言った」


 その脱力した姿が、土浦の神経を逆なでた。


「―――っなんでだよ! こんな時期に放り出すなんてなに考えてんだ!?」


 一度は下がっていたものが、ついに土浦の中で爆発する。
 ずっとわだかまっていた溜飲が吹き出したようだった。
 それでも相手の胸倉に掴みかからないだけの理性は残っていたらしく、代わりに両手の拳が固く音を立てる。


「いまが大事な時だってことぐらい、わかってるはずだろ!? それをわざわざコンディション崩すようなことするなんて、仮にも教師がすることかよ!」


 ましてや個人レッスンを引き受けている生徒に対して。
 それは音楽に携わっている人間ならば、誰にでもわかることだ。
 教師であり声楽家であった金澤なら、なおのこと。

 しかし。


「あー、お前さんの言い分もわかるけどな。大人には色々事情ってもんがあるんだよ。前途有望なワカモノのお前さんたちとは違って」


 金澤の反応はひどく淡白だった。
 あっさりと、達観した態度で笑ってみせる。

 からかうような、皮肉げな笑み。


「………あいつはどうなるんだよ。気づいてなかったなんて言わせないぜ。はあんたを信頼してた。誰よりも頼りにして、慕ってた! そのあいつを捨てるのか!?」

「……………」


 自分が口を出すことではないのだと、土浦は自覚していた。
 師弟のあいだの問題に口を出す権利など、部外者の自分にはどこにもないのだと。
 それでも、どうしても止められない。

 思い出すのは蹲る背中。
 腕の中に抱いた思いのほか細い肩が、不規則に揺れる感触。
 無理に擦ったせいで赤くなった目元から、なおも涙が溢れ出していた。

 それは、外見に似合わず本当は芯の強い彼女が見せた、初めての弱さ。


「…………教師の俺がしてやれることなんて、たかが知れてる……」

「ああ?」


 ぽつりと落とされた独白のようなそれに、土浦は訝しげな顔をする。

 椅子を軋ませて立ち上がった金澤の顔を見て、どきりとした。
 いつものだらけているか面倒くさがっているか、ふざけているかといういい加減なものとは違う。
 ひどく静かな、思いつめているかのような。

 けれどそれは、金澤が窓のほうを向いたことで遮られてしまった。
 椅子を周り、すぐ後ろにある窓の脇に身体を預けてもたれかかる。
 何気なく、窓の下のグラウンドに視線をやって。


「…………あいつはやっていけるさ。一人でも十分」

「―――!!」


 今度ばかりはとうとう、土浦の理性も完全に吹き飛んだ。
 何気ないことのように口にしたその台詞が、姿が、顔が、土浦の頭に血を昇らせる。

 なにも知らないくせに。なにも気づいていないくせに。

 そんな人間が、あいつの何をわかっているというのか。

 ずかずかと歩み寄り、金澤がいままで座っていたデスクの上にそのままの勢いで、手にしたモノを文字通り叩きつけた。
 バンッ、と派手な音がする。
 制服の内ポケットに押し込んでいたそれは、ぐしゃぐしゃに皺がよって、一見すればただの紙くずにしか見えない。

 いや、こんなものは紙くず以下なのだ。
 赤いペンで、愚にもつかない醜い言葉が書きなぐられた、こんなものなど。


「………第二セレクションの後から、あいつの靴箱に入れられてた」

「……………」


 押し込められた土浦の声に、金澤は机の上に叩きつけられたそれを一瞥する。
 禍々しい赤い文字は、歪みよじれたその状態でも、少し離れた場所にたつ金澤にすら識別できるものだった。


「あいつがそれを、どんな気持ちで受け取ってたかわかるか? たった独りで、俺たちにも気づかれないように………」


 いまこの胸に湧き上がる感情が、何の反応も示さない金澤に対するものなのか、それとも何も出来ない自分に対するものなのか、土浦本人にもわからなかった。
 ただ苛立ちにも似たそれをもてあまして、固く拳を握ることしか出来ない。


「きっとそれだけじゃない。あいつは何も言わねぇけど、他にもやられてるに決まってる。それなのには………あいつは、なにも言わない。泣かねぇんだよ。理不尽なことされて、傷ついてないはずがないのに………っ」


 いつかの放課後。
 伴奏に付き合った練習室で、この紙を見つけたとき。

 泣けばいいと思った。

 泣いて縋ってきたならば、いくらだって守ってやるのにと。

 けれど彼女は涙を見せるどころか、微笑んで言ったのだ。
 大丈夫だと。

 そんなはずが、ないのに。
 困らせたくないと言って、大丈夫だと笑って。

 彼女は決して、自分たちの前で涙を見せることはなかった。


「なぁ、金やん、わかってるのか? そのあいつが泣いてる。あんたに見捨てられたって言って。いままでどんなに傷つけられたって涙一つこぼさなかったあいつが、笑って見せたあいつが………いま泣いてるんだよ!!」


 抱きとめたこの腕が、どれほど無力だったことか。
 涙を止めてやる術など持たないくせに。
 泣けばいいと思ったあの時の自分が、ひどく滑稽に思えた。

 自分の力のなさに、吐き気がするほどだ。


「………………それで?」


 聞こえてきたさらりとした声に、土浦は訝しげな顔を上げる。
 いつの間にやらグラウンドに視線を戻していた金澤が、再びこちらを見やって。


「―――それで、お前は俺にどうしろって言うんだ?」


 あまりのことに、土浦はとっさに言葉が出なかった。

 ここまで話を聞いていて。
 この手紙を、目の当たりにしておいて。

 言うにことかいて口にしたのが、そんな言葉だなんて。


「確かにあいつは頑張ってるよ。素質もあるし、器用だし根性もある。けどこれは、が自分で乗り越えるべき問題だろう」


 信じられない思いで、土浦は金澤を見やる。
 その目は、いつも彼女を語るときの金澤の目ではなかった。

 冷めた顔をして、どうでもいいとでも言うように。


「土浦、おまえさんだって素人じゃないんだ。この世界でこんなことが珍しくないことぐらい、わかってるだろ」


 白衣のポケットから新しい煙草を取り出し口にくわえた。
 ライターの火をともした途端、強い煙草の芳香が漂ってくる。

 これ以上話すことはないとでも言うように、腕を組んだ金澤は窓の外に視線をやって。
 真っ白だった土浦の思考が一瞬怒りに染まり、けれどすぐさま失望にその色を変えた。


「………見損なったぜ、金やん」


 来た時とは対照的に、諦めと軽蔑をこめた静かな捨て台詞を残して、土浦は音楽準備室を出て行く。

 机の上に投げ出された紙くず以下の手紙はそのままだ。
 けれど金澤はそれを見ることはせず、ただ準備室の扉が閉ざされるのを耳だけで聞きながら、窓越しに見えるグラウンドを漫然と見下ろしていた。








2007/10/24 up

 思い余った土浦君。
 ………なんて書くと、まるで心中でも考えているようです。(笑)



――― 勝手にうんちく じゅうがつにじゅうよん ―――

  ★ 評価は五段階 ★

New!遥かなる時空の中で3 十六夜記  ★★★★★
   ついに発売!
   あの 『遥かなる時の中で3』 の続編です!
   今までの1から2、2から3のように、時代やキャラが変わるのではなく、
   遥か3のキャラクターたちがそのまま持ち越される今回のゲーム。
   舞台は遥か3の最終局面である、壇ノ浦の合戦で平氏に源氏が勝利した直後から始まります。
   合戦が終わり、神子や八葉たちにも平穏が訪れるかと思われたその矢先。
   大将である源頼朝が、人々の信仰を集める神子とその仲間を廃そうと策をめぐらせる。
   反逆者として処断されそうになった神子たちは寸前でその手を逃れ、一路奥州は平泉を目指します。
   この平泉と言う土地は、八葉の一人である九郎と弁慶が少年期を過ごした縁の場所なのですが、
   そこで僅かな平和を得たのも束の間。
   頼朝の追っ手はこの平和な奥州にも伸びてくるのです………。
   『遥か3』 では戦の進行が主軸にあったため、どこか殺伐とした、
   張り詰めた緊張感の中で進んでいたストーリー。
   キャラたちとのイベントも、戦の影を拭い去ることは難しいものが多かったように思います。
   もちろん、その緊張感溢れる中で繰り広げられる、
   意中の人との恋愛がまたかなりツボだったりするのですが………。(笑)
   今回の 『十六夜記』 では、それに加えて 蜜月イベント と呼ばれる、
   平穏な生活の中で起こるイベントが用意されています。
   戦を離れた 「拠点」 で一時の平穏な日常を送る八葉たち。
   リラックスできる状態だからこそ垣間見せる、
   彼らの新たな一面を知ることの出来るなんともナイスなイベントなんです!
   とくにリズ先生なんか気になりませんか? リラックスしている先生って、先生って………っ。
   もうそれだけで萌えますとも!

   と・こ・ろ・がっ。

   この 『十六夜記』 の注目点はそれだけじゃないんです。
   大注目なのは新たなキャラクターの存在!
   計3人出てくるのですが、落とせそうなのは2人かな?
   そしてこの二人の内の一人が、あの『遥か3』では敵方だった、平知盛と瓜二つなんですよ!
   性格は全然違うようです。だから別人なのかなぁ。微妙なところです。
   知盛が清廉潔白、素直従順になったような顔つき。そして性格………。
   どうせなら前のままの方が良かったです。 彼のあの退廃的な雰囲気がかなりツボだったんですよ私。
   その点でいうと、もう一人の新キャラの方がいいかもしれません。
   ていうかこちらは、管理人のツボにクリティカルヒットしました!(笑)
   ビジュアルはもちろんのこと、その性格設定もかなり惹かれます。
   眼光鋭い怜悧な青年って………、黒髪長髪に眉間に皺って………っ!
   彼がツボじゃなくて誰がツボだって話ですよ!
   むしろ彼を落としたい。 ぜひとも落としたい。 彼の為にこのゲームを買おうかって勢いです。
   でも攻略対象に入っているかは微妙なところですね。 難しそう。(涙)
   ああ、だがしかし、一度ついた勢いは止められそうにありません。
   その他にも、バリエーションを増したキャラたちの協力技や、新たなバロメーターの追加など、
   盛りだくさんの『十六夜記』。
   画像の綺麗さは折り紙つきです。 かなり綺麗。
   発売は9/22ですが、予約はすでに始まってますね。
   『遥か3』と連動させて楽しむも良し。 まったく新しい物語として楽しむも良し。
   いまから大期待です。
   『遥かなる時空の中で3』はこちら。


金色のコルダ 〜 Primavera 〜  ★★★★★
   コルダファン必見! 初の ”金色のコルダオンリーDVD”!
   ネオロマライブDVDとはまた違った、コルダ一色のDVDでございます。
   主となっているのはコルダのメインキャラ総出演の『爆笑トーク大会』。
   爆笑と言うだけあって、本気で笑えます。
   声優さんの素がかなり出ているのですが、コルダの収録時の裏話とか聞けておもしろかったですね。
   そのほかにも六個のお題にそって話が進められていくので内容は豊富。
   個人的には、冬海ちゃん役の声優さんがかなりのハマり役なのにびっくりしました。
   もー、冬海ちゃんそのものって感じ。
   土浦君が言うところの、吹けば飛びそうなというか、つつけば壊れそうなというか。
   可憐でした。(笑)
   また、 『ヴァイオリン講座』 や 『三年B組金やん先生』 といった企画も盛りだくさん。
   もちろん7人の歌も、なんとライブバージョンで収録されています。
   歌で大注目なのは、月森蓮役の谷山紀章氏!
   なんですかあの上手さっ! あの美声っ! 反則ですよ! ってくらいすごいです。
   いやー、びっくりでしたね。 かなり上手い。 一見の価値ありです。
   できればネオロマライブでやるお芝居なんかも収録しておいてほしかったですねぇ。
   いや、まあそれは、ライブのDVDを見ろってことなんでしょうが・・・・・・。
   個人的にはもうちょっとキャラを出してほしかったかなぁ。本当に声優さんの素が楽しめるDVDです。
   ヴァイオリン組、3Bキャラ好きの人には特にオススメしたいですね。
   この四人がかなり出張っているので大満足間違いなしでしょう。


金色のコルダ マエストロ養成講座  ★★★★★
   皆さまおなじみの金色のコルダ。
   その ”完全攻略&完全データ集” です!
   『え〜、でも私、とっくにエキスパートガイド持ってるもん』
   『ていうか、もうスチル全部集まったし。見る必要ナッシング!』
   ―――と、お思いの方々もいらっしゃることでしょう。
   ところが!
   あなどっちゃあいけません。これは単なるゲーム攻略本ではないのです!
   ゲームの攻略、いわゆるコンプリートしたとされる一つの条件として、スチルの全収集が挙げられますね?
   乙女ゲームにおいて、この条件は必須です。これさえ満たせば、ゲーム内の九割方のイベントを見たことになるか
   らです。ところが、はたしてそれで、全てのイベントを見れたのでしょうか?
   ご存知のようにこの金色のコルダには、恋愛○段階という大きなイベントの他に、こまごまとしたイベントが多数用
   意されています。
   プレイヤーにとって、それは嬉しいことなのですが、いかんせん一体どういう条件でそれらが発生するのか。
   また、どれだけの数が用意されているのか。それらの予測がまったくつかないというのが現状でした。
   かく言う私も、『あの人のイベントを、一つたりとも見逃すものかッ!』 と、意気込んでいた時期はありましたが、い
   かんせんまったく予測のつかないものを、網羅するだけの技量も根性もなく………。
   すっかりゲームへの熱意は冷め、こうしてドリーム小説に没頭しているわけではありますが………。(笑)
   なんとこのマエストロ養成講座には、それらの情報が載っているのです!
   しかもなんと、 「恋愛対象5人同時攻略」 などというものがあるそうではありませんか!
   私は知りませんでしたよ、ええ。全然まったくもって。そんなものがあるなんて。七人攻略も夢じゃないらしいですね?
   そうしてなんとこの本には、その情報まで載っているというのです!
   私が一番惹きつけられるのは、二人以上を同時進行させた時に見れるあの嫉妬イベントについての情報です
   な! ぜひ見たい、なんとしても見たい、死ぬほど見たい………。
   再びコルダ熱が燃え上がる気配がいたします。(爆)
   どうやらイベントのセリフ等は冒頭部分のみ掲載という状態なようですが、そのほうが見る楽しみが倍増ですよね。
   ていうか、先にバラすようなことはしないで下さい。
   やりこみプレイや完全データ、ディープな攻略法(笑)など、40種類の講座が収録されているこの一冊。
   なぜもっと早く発売してくれなかった、ルビーパーティ!? と叫びたいのは山々ですが。
   とにかくオススメです。


幕末恋華・新撰組  ★★★★☆
   トップページでも紹介している、『うるるんクエスト 恋遊記』と同じ3Dの作品。
   本格派歴史系恋愛アドベンチャーですね。
   史実に沿った事件が起こる中で、女性隊士として新撰組に所属することになった主人公。
   時代の荒波に翻弄されながらも、刀を取り、懸命に戦い生き抜いていくのです。
   まさしくゲーム版ドリームですな。
   なにぶん新撰組ですから、どうやったって悲恋になるだろうってキャラはいますが、訪れたEDに感動することは請
   け合いです。
   絵柄も綺麗ですし、声優陣も豪華なメンバーが揃っているので満足できると思いますよ?(しかもフルボイス)
   ただ、D3という会社の方針として、『安価で攻略も簡単なものを』という目標? 理念? の元に製作された物です
   から、攻略は簡単です。
   人によっては物足りなさを感じてしまうかも?
   そういった点では初心者向きですかねぇ。
   ですが、近藤勇や沖田宗司、土方歳三などと、時代に全てを捧げて一心に生き、けれどもその一方で、どうするこ
   ともできずに湧き上がる暖かな思い。
   これはかなり胸にきます。
   現代に生きる私たちには予想できない、様々な人間模様が用意されているかも。
   個人的にはおすすめですが、やはり攻略の難易度が低いことを踏まえて、星は四つ。


星の王女3 〜天・地・人の創世記〜  ★★★★★
   業界初の女性向18禁恋愛アドベンチャー第三弾!
   なんと今度は全年齢対象の、健全版として帰ってきた!?
   ちょっとびっくりな展開ですが、安心してください、大丈夫です。(何がさ)
   たしかにこの『星の王女3』は全年齢を対象としたソフトウェアと表記されていますが、
   もちろんちゃんと18禁版も用意されています。
   今度の舞台は神話の世界。
   絵もストーリーもグレードアップして、かなり満足度は高いです。
   さすがに三度目ともなると、それまでの問題を解消してゲームとしての完成度も上がっていますね。
   今度は、これまでの『星の王女1、2』のように選択肢を選んでいくだけのものではなくて、ゲーム度もランクアップ。
   そして画像の綺麗さはさることながら、BGMの成長ぶりにも目を見張ります。
   攻略対象のキャラは、幅広い年齢層を用意。
   見た目もプリティな少年(耳とんがってますけど)から、ナイスミドルまで(かなり管理人好み)盛りだくさん!
   いろんな人に楽しんでもらえるよう、企画されているようです。
   普通にゲームを買うと健全版なので、
   18禁版を楽しもうと思う人は、それと一緒に18禁対応ディスクを買わないといけないんですが、
     二枚あわせても前回の価格とさほど変わりません。
   ちょっと高くなってるかな? でも、内容を考えれば許容範囲ですね。
   やはり18禁となると市場が限られてしまうようで、今回の健全版作成は美雷さんの市場開拓が目的なようです。
   まあ、世間には18禁と聞いただけで思わず尻込みしてしまう方もいらっしゃるでしょうしねぇ。
   管理人はまったく全然OKな人間ですが。
   乙女の恥じらいなんて、とうの昔に焼却処理いたしましたとも!
   ていうか、いいじゃないか、18禁だって! 子孫繁栄の重要な過程をちょっとロマンチックに表現しただけじゃないか!
   自分たちだって、こういう営みの果てに生まれて来た存在さ!
   ………なーんて主張してみたりして。
   いや、まぁ、これには色々人それぞれにおっしゃりたいことがあるでしょうね。
   これは管理人の私的な意見ということで。
   とにかく、これまで18禁だからと尻込みしていたあなた! この機会に試してみてはどうでしょう。
   別に18禁対応ディスクを買わなくても、充分乙女ゲームとして楽しめる内容になっているので心配なし。
   つまりはそういうシーンがカットされてるだけですからね。
   キャラがとにかくカッコいいんです。ハマって下さい。
   18禁版で楽しむ時に使う、追加ディスクはこちら。(星の王女3 〜天・地・人の創世記〜 18禁対応追加ディスク)


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