★ 『遥かなる時空の中で3』の続編、『十六夜記』PS2 が発売決定!
  壇ノ浦の合戦の後、反逆者として追われた神子と八葉がたどり着いた先は奥州だった。 平家との戦いの後、新たに紡がれる恋の物語。
                       遥か3では落としたくても落とせなかったあの人が、ついに、ついに落とせそうな予感です………! ★







 21 occasione ― 前編 ―






「―――と、なるわけだな。わかったかー、ここはテストに出るぞー」


 そんな教師の言葉も、生徒たちが慌ててノートを取る音も、右から左にすり抜けて。
 気づけば知らないうちに、窓の外へと漂う視線。
 時おり思い出したかのように漏らされる溜め息は、とても小さく短い。
 けれどそれが何度も重なれば、誰かに気づかれることもあるというもので。


「………五回目」

「……………………え?」


 目の前で言われた言葉にも反応するのが遅れて、は間の抜けた声を漏らした。
 眉を上げて前方に視線を向けると、この上ない呆れ顔でこちらを見ている天羽。
 そう言えば、教室まで遊びに来ていた天羽と話をしていたんだと、今更ながらに思い出す。
 そんなの思考を察したのか、今度は天羽が溜め息をついた。


「さっきから話してるのに全然反応ないしさあ。五回目だよ、溜め息。なんか心配事でもあるわけ?」


 だったら相談に乗るよ、と言ってくれる天羽に、は笑みを浮かべて首を振る。


「そんなこと無いよ。大丈夫」

「あんたの大丈夫って、なーんか信用できないんだよねぇ」


 鋭い天羽の指摘にも、は苦笑を浮かべるだけで。
 ひどいなぁ、なんてふざけてみせる。
 ここ数日の間に、自分は随分嘘をつくのが上手くなったようだった。

 いや、これは嘘というのとは少し違うかもしれない。
 心配事なのではなく、ただ気分が滅入っているだけだ。


「練習、上手くいってないの?」

「うーん、まあね………」


 心配をかけるかとも思ったが、これ以上誤魔化してもどうせ追求されるだろうと思い、はバツが悪そうに頷いた。
 今まではただ集中できなかっただけなのに、今度は歌っても歌ってもどこか違う気がして。

 ひどくなる一方の違和感に、の気分は益々滅入ってしまう。
 そうしてそれがまた、不調を呼び込むという悪循環。
 頭の中ではわかっているのに、にはどうする事もできなかった。
 結果ただもんもんと悩み続け、こうして溜め息を落とすしかないのだ。

 天羽が来てから六回目を数えるそれが、の口から漏らされた。


「あたしにはよくわかんないけどさ、なんか重症っぽいねぇ。大丈夫? 第三セレクション今週だよ?」

「……………だよねぇ」


 大丈夫じゃない。
 全然大丈夫な気がしない。

 言葉には出さないまでも、の纏うオーラが物語る。
 もちろん今までだって、セレクションの時はいつも不安で緊張して、自信なんてものはこれっぽっちも持ったことなど無いのだけれど。
 しかし今回のこれは、今までのものとはまた違うように思えた。


「もー、あんた次入賞したら総合優勝だって狙えるんだからさあ。もっと自信もちなって」

「うあ、ダメ天羽ちゃん、その話はしないでー………」


 せっかく忘れてたのに〜、と頭を抱える

 総合優勝。

 そんなもの、コンクールに参加することが決まった時から考えたことすら無かったのに。
 ここに来て、はたと気づけばそういうことになっていた。
 参加するだけでも必死だというのに、この上成績まで関わってくるとなればどうなることか。

 これ以上ストレスを溜めたくはないので、は故意にそこから目を逸らし続けていたのだけれど。
 天羽は机に突っ伏してしまったを見下ろして頬杖をつく。


「まったくあいかわらずだねぇ。普通科で総合優勝ってなれば、十何年ぶりだかって話なのに」

「そういうことは土浦くんに期待して〜。私なんかには無理だもん〜」


 泣き言全開の
 これは相当参ってるなと溜め息をついた天羽は、ふと思いついた様に身体を起こした。


「そんなに大変なんだったら金やんに相談してみれば? せっかく個人レッスン受けてんだしさ」

「……………うーん」


 予想に反して煮え切らないの反応に、おやと首を傾げる。
 てっきりもう相談しただとか、これから相談に行ってくるだとかの応えが返ってくると思っていたのに。
 は机に突っ伏した顔を少しだけずらして唸るだけだ。


「金やんもあれで一応教師なんだしさ。何かいいアドバイスしてくれるかも………って、あそこにいるの金やんじゃない? 噂をすれば影だねー」


 窓の外を指差す天羽に、はがばりと上体を起こした。
 天羽の指先を追って視線を走らせる。
 するとそこには、ポケットに手を突っ込んで歩く見慣れた姿があって。

 いつもの白衣、いつものサンダル。
 無造作にまとめられた髪と、少し猫背な姿勢と。

 二階である教室から見下ろしている自分たちの存在などに気づくはずもない。
 顔を会わせるのは気まずいのに、こうして姿を見つければ目で追わずにはいられない。

 足取りはどこか気だるげで、次の時間は授業ではないのだろうか。
 木陰にあるベンチに腰かけると、なにやら身じろぎをしてズボンのポケットから何かを取り出した。
 それを口に咥え少し肩を屈めたかと思うと、白い煙があたりに漂いだす。
 それを見て煙草を吸っているのだと知った。

 の前では決して見せないその仕草。
 煙草を咥えはするけれど、火をつけることは無い。
 それでもその身体に染み付いた煙草の香りは、鮮明に思い出すことが出来て。

 先生は知っているだろうか。

 本当は、煙草を吸う姿を見るのはキライじゃない。
 煙が喉に悪いのは知っていて。
 煙たいのも好きではないのだけれど。

 でも、煙草を吸うその仕草を見るのは好きなのだと。

 窓の下の金澤を、はぼんやりと見つめ―――。


「………なんかさあ、金やんに恋でもしてるみたいだよねー」

「…………え?」


 その何気ない雰囲気の天羽の言葉に、はその体勢のまま振り返った。
 頬杖をついたままこちらを見やる天羽の半眼にぶつかる。

 口は "え" の形に開いたままで。
 まさしく、ぽかん、という擬音がぴったりと当てはまるその表情。

 その体勢のまま動かないを見て、天羽はぷっと吹き出した。


「って、そーんなわけないか。漫画や小説じゃあるまいしねぇ。ましてや相手があの金やんとくれば尚更だよ。結構人気はあるけどさぁ、あの性格じゃ想像つかないって」


 冗談冗談、と笑う天羽。
 しかしは、目を見開いて固まったまま動かない。




『なんかさあ、金やんに恋でもしてるみたいだよねー』




 その天羽の言葉が、の頭の中で駆け巡って。

 恋?
 誰が、誰に?
 いったい何を、してるみたいって………?



「あ、そろそろチャイム鳴りそう。んじゃ、あたし戻るわ。今日も放課後練習するんでしょ、頑張んなね」


 そんなの様子に気づく間もなく、天羽は慌ただしく席を立った。
 教室を出て行く彼女を見送ることもできず。
 は放心したように、ただその場で座り尽くしている。
 頭の中は真っ白と言ってもいいだろう。
 ただ訳のわからない言葉だけが飛び交っているだけ。
 目は開いているのに、その映したものを認識しているのかどうか。

 そうこうしているうちに、授業開始を告げるベルが鳴って。
 担当教師が入ってきて授業が始まっても、の心がその場所に戻ってくることはなかった。

 午後の授業の全てが上の空で過ぎていく。

 全ての授業が終わり放課後になっても尚、の意識はどこか別のところにあった。
 それでもとりあえず身体は動いているので、鞄に荷物を詰めて帰り支度を始めようとするのだけれど。
 そこに、どこからか教室に戻ってきたクラスメイトが近づいてきた。


「あ、さん。さっき担任が日誌を持ってこいって言ってたよ」

「…………え?」

「え?」


 ぼんやりしたまま振り返り首を傾げれば、そのクラスメイトも同じように首を傾げて。
 それを見て、ようやくは我に返った。


「あ、ああ、うん。そっか、私日直だったっけ………。わかった、すぐ持っていくよ。ありがとう」


 慌てて取り繕うように笑い、きょとんとしていたクラスメイトに礼を言った。
 気分はなんだかようやく現実世界に戻ってきた感じだ。

 はおもむろに机の中から日誌を取り出すと、曖昧な記憶を掘り起こして午後の授業の記録を書き付ける。
 そして教室の黒板に書かれていた自分の名前を次の人のものに書き換えてから、鞄と一緒に日誌を持って職員室へ向かった。





 HRが終わったばかりの廊下は人通りも多く、ざわざわとした喧騒が満ちている。
 その間を縫いながら進む
 しかしその足取りはどこか頼りなく、歩きながらもの思考は再びここではない別の場所へ飛んでいるようだった。




 恋でもしてるみたい―――。




 冗談だと言った天羽の言葉が、なぜだか頭の中を離れない。
 恋なんてそんなこと、いままでほとんど考えたこともなかったのに。

 もちろん初恋の相手がいなかったわけではないし、友達同士でそういう話をすることだってあるけれど。
 どう考えたって、今回ばかりは有り得ない状況なのだ。


 だって相手は先生で。

 大人で、教師で、先生で。

 そりゃあ学科は違うけど、それでもやっぱり先生で。

 有り得なさ過ぎて目眩がしそう。

 だって先生は先生で、先生なのに…………。


 胸に日誌を抱えて、またもや小さくため息を落とす。
 職員室はもう間近。
 そこの角を曲がれば、職員室前の廊下に差し掛かるというところで。


「―――っ!」


 唐突に。

 まったくもって唐突に、はものすごい勢いで身を翻した。
 そうしてそのまま、今まさに曲がろうとしていた角に見を隠す。
 その素早さといったら、それまでの頼りない足取りなどいったいどこの話だというぐらいで。
 は壁にぴったりと背中を押し付けて、気配を殺すように息を詰めた。

 もしも誰かに見られていたら、怪訝な顔をされていたに違いない。
 しかし幸いにもの奇怪な行動を目撃した人間はいないらしく、したがって今のの姿にも、疑念を抱く者はいないわけで。

 耳元で聞こえる心臓の音がひどくうるさい。
 その上それは明らかに異常とわかるほどのハイスピードで。
 は知らずに手の中の日誌を握り締める。

 角を曲がろうとした途端、その視界に飛び込んできたシルエット。
 見間違えるはずが無い。
 なぜだなんて聞かれても困るけれど、でも絶対に間違えているはずが無い。
 無造作にまとめられた髪と、裾の翻る白衣と。
 本当は随分背が高いのに、猫背のせいでそうは見えないその姿勢と。


 金澤紘人―――。


 そう認識した途端、身体は勝手に動いていた。
 動悸は一向に治まらない。
 体温は上昇しているのに、固まったまま動かない身体。


(なんで、先生がいるの………?)


 ろくに働いていない思考でそう考えて、今いる場所が職員室前の廊下なのだと思い出した。
 先生は職員室に向かっていただけで。
 職員室の前に職員である先生が立っていて、何の不思議があるだろう。

 いや、不思議なのはむしろ、今自分が取った行動の方。
 どうして隠れてしまったのか。
 隠れる必要なんて無かったはずなのに。
 いつもなら、姿を見かければ決まって声をかけていたのに。
 どうして今、自分は隠れてしまったのだろう。

 激しい動悸にぐるぐると回る思考で、は必死に考える。

 前に二、三日ほど避けていたのは、先生に怒られた後で気まずかったから。
 先週の金曜日の一件は確かに気まずくないわけでは無いのだけれど、あれは自分ひとりの問題で先生は何も知らないわけで。
 つまりは今現在、先生を避ける理由などこれっぽっちもないということで。

 はうるさく騒ぐ胸を押さえて、そろりと角の向こうを窺った。
 すると、そこにはもう金澤の姿は無い。
 おそらく職員室の中に入ったか、それともどこか別のところへ行ってしまったのだろう。

 無意識の内に全身に入っていた力を、細く長い溜め息と共に吐き出した。
 なぜだか妙に疲労を感じて、脱力した体勢のままよろりと角から身体を離す。

 さっさと担任に日誌を渡してしまおう。
 そうしてこの場所を一刻も早く離れて。
 また会ってしまわないうちに、どこか別の場所へ。
 それがきっと最良の策なのだと思った。

 何よりもこの動悸は間違いなく心臓によろしくない。
 走ってもいないのに異常数値をたたき出すなど、明らかにおかしな証拠で。
 そうして原因となる人物は、今回に関してだけはこの上も無くはっきりしているのだから。


「失礼します」


 一度ぺこりと頭を下げてから、は職員室の中へと足を踏み入れた。





2005/09/28 up

後編は今週末にUP。
もう出来上がってますが、時間稼ぎです。(爆)
いろんな意味で正念場。


――― 勝手にうんちく くがつにじゅうはちにち ―――

  ★ 評価は五段階 ★

New!遥かなる時空の中で3 十六夜記  ★★★★★
   ついに発売!
   あの 『遥かなる時の中で3』 の続編です!
   今までの1から2、2から3のように、時代やキャラが変わるのではなく、
   遥か3のキャラクターたちがそのまま持ち越される今回のゲーム。
   舞台は遥か3の最終局面である、壇ノ浦の合戦で平氏に源氏が勝利した直後から始まります。
   合戦が終わり、神子や八葉たちにも平穏が訪れるかと思われたその矢先。
   大将である源頼朝が、人々の信仰を集める神子とその仲間を廃そうと策をめぐらせる。
   反逆者として処断されそうになった神子たちは寸前でその手を逃れ、一路奥州は平泉を目指します。
   この平泉と言う土地は、八葉の一人である九郎と弁慶が少年期を過ごした縁の場所なのですが、
   そこで僅かな平和を得たのも束の間。
   頼朝の追っ手はこの平和な奥州にも伸びてくるのです………。
   『遥か3』 では戦の進行が主軸にあったため、どこか殺伐とした、
   張り詰めた緊張感の中で進んでいたストーリー。
   キャラたちとのイベントも、戦の影を拭い去ることは難しいものが多かったように思います。
   もちろん、その緊張感溢れる中で繰り広げられる、
   意中の人との恋愛がまたかなりツボだったりするのですが………。(笑)
   今回の 『十六夜記』 では、それに加えて 蜜月イベント と呼ばれる、
   平穏な生活の中で起こるイベントが用意されています。
   戦を離れた 「拠点」 で一時の平穏な日常を送る八葉たち。
   リラックスできる状態だからこそ垣間見せる、
   彼らの新たな一面を知ることの出来るなんともナイスなイベントなんです!
   とくにリズ先生なんか気になりませんか? リラックスしている先生って、先生って………っ。
   もうそれだけで萌えますとも!

   と・こ・ろ・がっ。

   この 『十六夜記』 の注目点はそれだけじゃないんです。
   大注目なのは新たなキャラクターの存在!
   計3人出てくるのですが、落とせそうなのは2人かな?
   そしてこの二人の内の一人が、あの『遥か3』では敵方だった、平知盛と瓜二つなんですよ!
   性格は全然違うようです。だから別人なのかなぁ。微妙なところです。
   知盛が清廉潔白、素直従順になったような顔つき。そして性格………。
   どうせなら前のままの方が良かったです。 彼のあの退廃的な雰囲気がかなりツボだったんですよ私。
   その点でいうと、もう一人の新キャラの方がいいかもしれません。
   ていうかこちらは、管理人のツボにクリティカルヒットしました!(笑)
   ビジュアルはもちろんのこと、その性格設定もかなり惹かれます。
   眼光鋭い怜悧な青年って………、黒髪長髪に眉間に皺って………っ!
   彼がツボじゃなくて誰がツボだって話ですよ!
   むしろ彼を落としたい。 ぜひとも落としたい。 彼の為にこのゲームを買おうかって勢いです。
   でも攻略対象に入っているかは微妙なところですね。 難しそう。(涙)
   ああ、だがしかし、一度ついた勢いは止められそうにありません。
   その他にも、バリエーションを増したキャラたちの協力技や、新たなバロメーターの追加など、
   盛りだくさんの『十六夜記』。
   画像の綺麗さは折り紙つきです。 かなり綺麗。
   発売は9/22ですが、予約はすでに始まってますね。
   『遥か3』と連動させて楽しむも良し。 まったく新しい物語として楽しむも良し。
   いまから大期待です。
   『遥かなる時空の中で3』はこちら。


金色のコルダ 〜 Primavera 〜  ★★★★★
   コルダファン必見! 初の ”金色のコルダオンリーDVD”!
   ネオロマライブDVDとはまた違った、コルダ一色のDVDでございます。
   主となっているのはコルダのメインキャラ総出演の『爆笑トーク大会』。
   爆笑と言うだけあって、本気で笑えます。
   声優さんの素がかなり出ているのですが、コルダの収録時の裏話とか聞けておもしろかったですね。
   そのほかにも六個のお題にそって話が進められていくので内容は豊富。
   個人的には、冬海ちゃん役の声優さんがかなりのハマり役なのにびっくりしました。
   もー、冬海ちゃんそのものって感じ。
   土浦君が言うところの、吹けば飛びそうなというか、つつけば壊れそうなというか。
   可憐でした。(笑)
   また、 『ヴァイオリン講座』 や 『三年B組金やん先生』 といった企画も盛りだくさん。
   もちろん7人の歌も、なんとライブバージョンで収録されています。
   歌で大注目なのは、月森蓮役の谷山紀章氏!
   なんですかあの上手さっ! あの美声っ! 反則ですよ! ってくらいすごいです。
   いやー、びっくりでしたね。 かなり上手い。 一見の価値ありです。
   できればネオロマライブでやるお芝居なんかも収録しておいてほしかったですねぇ。
   いや、まあそれは、ライブのDVDを見ろってことなんでしょうが・・・・・・。
   個人的にはもうちょっとキャラを出してほしかったかなぁ。本当に声優さんの素が楽しめるDVDです。
   ヴァイオリン組、3Bキャラ好きの人には特にオススメしたいですね。
   この四人がかなり出張っているので大満足間違いなしでしょう。


金色のコルダ マエストロ養成講座  ★★★★★
   皆さまおなじみの金色のコルダ。
   その ”完全攻略&完全データ集” です!
   『え〜、でも私、とっくにエキスパートガイド持ってるもん』
   『ていうか、もうスチル全部集まったし。見る必要ナッシング!』
   ―――と、お思いの方々もいらっしゃることでしょう。
   ところが!
   あなどっちゃあいけません。これは単なるゲーム攻略本ではないのです!
   ゲームの攻略、いわゆるコンプリートしたとされる一つの条件として、スチルの全収集が挙げられますね?
   乙女ゲームにおいて、この条件は必須です。これさえ満たせば、ゲーム内の九割方のイベントを見たことになるか
   らです。ところが、はたしてそれで、全てのイベントを見れたのでしょうか?
   ご存知のようにこの金色のコルダには、恋愛○段階という大きなイベントの他に、こまごまとしたイベントが多数用
   意されています。
   プレイヤーにとって、それは嬉しいことなのですが、いかんせん一体どういう条件でそれらが発生するのか。
   また、どれだけの数が用意されているのか。それらの予測がまったくつかないというのが現状でした。
   かく言う私も、『あの人のイベントを、一つたりとも見逃すものかッ!』 と、意気込んでいた時期はありましたが、い
   かんせんまったく予測のつかないものを、網羅するだけの技量も根性もなく………。
   すっかりゲームへの熱意は冷め、こうしてドリーム小説に没頭しているわけではありますが………。(笑)
   なんとこのマエストロ養成講座には、それらの情報が載っているのです!
   しかもなんと、 「恋愛対象5人同時攻略」 などというものがあるそうではありませんか!
   私は知りませんでしたよ、ええ。全然まったくもって。そんなものがあるなんて。七人攻略も夢じゃないらしいですね?
   そうしてなんとこの本には、その情報まで載っているというのです!
   私が一番惹きつけられるのは、二人以上を同時進行させた時に見れるあの嫉妬イベントについての情報です
   な! ぜひ見たい、なんとしても見たい、死ぬほど見たい………。
   再びコルダ熱が燃え上がる気配がいたします。(爆)
   どうやらイベントのセリフ等は冒頭部分のみ掲載という状態なようですが、そのほうが見る楽しみが倍増ですよね。
   ていうか、先にバラすようなことはしないで下さい。
   やりこみプレイや完全データ、ディープな攻略法(笑)など、40種類の講座が収録されているこの一冊。
   なぜもっと早く発売してくれなかった、ルビーパーティ!? と叫びたいのは山々ですが。
   とにかくオススメです。


幕末恋華・新撰組  ★★★★☆
   トップページでも紹介している、『うるるんクエスト 恋遊記』と同じ3Dの作品。
   本格派歴史系恋愛アドベンチャーですね。
   史実に沿った事件が起こる中で、女性隊士として新撰組に所属することになった主人公。
   時代の荒波に翻弄されながらも、刀を取り、懸命に戦い生き抜いていくのです。
   まさしくゲーム版ドリームですな。
   なにぶん新撰組ですから、どうやったって悲恋になるだろうってキャラはいますが、訪れたEDに感動することは請
   け合いです。
   絵柄も綺麗ですし、声優陣も豪華なメンバーが揃っているので満足できると思いますよ?(しかもフルボイス)
   ただ、D3という会社の方針として、『安価で攻略も簡単なものを』という目標? 理念? の元に製作された物です
   から、攻略は簡単です。
   人によっては物足りなさを感じてしまうかも?
   そういった点では初心者向きですかねぇ。
   ですが、近藤勇や沖田宗司、土方歳三などと、時代に全てを捧げて一心に生き、けれどもその一方で、どうするこ
   ともできずに湧き上がる暖かな思い。
   これはかなり胸にきます。
   現代に生きる私たちには予想できない、様々な人間模様が用意されているかも。
   個人的にはおすすめですが、やはり攻略の難易度が低いことを踏まえて、星は四つ。


星の王女3 〜天・地・人の創世記〜  ★★★★★
   業界初の女性向18禁恋愛アドベンチャー第三弾!
   なんと今度は全年齢対象の、健全版として帰ってきた!?
   ちょっとびっくりな展開ですが、安心してください、大丈夫です。(何がさ)
   たしかにこの『星の王女3』は全年齢を対象としたソフトウェアと表記されていますが、
   もちろんちゃんと18禁版も用意されています。
   今度の舞台は神話の世界。
   絵もストーリーもグレードアップして、かなり満足度は高いです。
   さすがに三度目ともなると、それまでの問題を解消してゲームとしての完成度も上がっていますね。
   今度は、これまでの『星の王女1、2』のように選択肢を選んでいくだけのものではなくて、ゲーム度もランクアップ。
   そして画像の綺麗さはさることながら、BGMの成長ぶりにも目を見張ります。
   攻略対象のキャラは、幅広い年齢層を用意。
   見た目もプリティな少年(耳とんがってますけど)から、ナイスミドルまで(かなり管理人好み)盛りだくさん!
   いろんな人に楽しんでもらえるよう、企画されているようです。
   普通にゲームを買うと健全版なので、
   18禁版を楽しもうと思う人は、それと一緒に18禁対応ディスクを買わないといけないんですが、
     二枚あわせても前回の価格とさほど変わりません。
   ちょっと高くなってるかな? でも、内容を考えれば許容範囲ですね。
   やはり18禁となると市場が限られてしまうようで、今回の健全版作成は美雷さんの市場開拓が目的なようです。
   まあ、世間には18禁と聞いただけで思わず尻込みしてしまう方もいらっしゃるでしょうしねぇ。
   管理人はまったく全然OKな人間ですが。
   乙女の恥じらいなんて、とうの昔に焼却処理いたしましたとも!
   ていうか、いいじゃないか、18禁だって! 子孫繁栄の重要な過程をちょっとロマンチックに表現しただけじゃないか!
   自分たちだって、こういう営みの果てに生まれて来た存在さ!
   ………なーんて主張してみたりして。
   いや、まぁ、これには色々人それぞれにおっしゃりたいことがあるでしょうね。
   これは管理人の私的な意見ということで。
   とにかく、これまで18禁だからと尻込みしていたあなた! この機会に試してみてはどうでしょう。
   別に18禁対応ディスクを買わなくても、充分乙女ゲームとして楽しめる内容になっているので心配なし。
   つまりはそういうシーンがカットされてるだけですからね。
   キャラがとにかくカッコいいんです。ハマって下さい。
   18禁版で楽しむ時に使う、追加ディスクはこちら。(星の王女3 〜天・地・人の創世記〜 18禁対応追加ディスク)


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